技術士とは?試験の難易度・合格率・勉強法・過去問・解答速報をご紹介!

技術士の定義は、「技術士の名称を用いて、科学技術に関する高等の専門的応用能力を必要とする事項について、計画・研究・設計・分析・試験・評価・これらに関する指導の業務を行う者」とされています。技術士の資格は、最も難易度の高い資格です。技術士になるためには、技術士第一次試験に合格して、数年の実務経験の後に技術士第二次試験が受験でき、これに合格して技術士の称号が与えられます。まずは、技術士第一次試験に合格してからの話です。
技術士第一次試験の受験資格は、特に設けられておらず、誰でも受けることができ、一次試験の合格率は例年50%程度と高い水準です。これなら受かりそうと思ってはいけません。技術士第一次試験の試験内容について後ほど触れますが、非常に広範囲に渡る科目数があり、どれも大学レベルの問題が出題されます。したがって、合格率が高い理由は、長い時間を掛けて受験勉強をしていて、大丈夫と思った段階で受験した結果だからでしょう。ちなみに二次試験では、論文型式の筆記試験と面接があって、合格率は15%前後です。

この記事では、建技術士とはどのような資格なのか、技術士試験の内容・日程・難易度・合格率・勉強法について解説します。

技術士とは

技術士とは、科学技術に関する技術的専門知識と、高度な応用力および豊富な業務経験を持ち、 交易を確保するため高い技術者理論を備えた技術者を認定する、技術士法に基づいた国家資格です。

技術部門

技術士試験は、産業経済、社会生活の科学技術に関する、文部科学省令で定める21の技術部門ごとに実施されます。

機械部門、船舶・海洋部門、航空・宇宙部門、電気電子部門、化学部門、繊維部門
金属部門、資源工学部門、建設部門、上下水道部門、衛生工学部門、農業部門
森林部門、水産部門、経営工学部門、情報工学部門、応用理学部門
生物工学部門、環境部門、原子力・放射線部門、総合技術監理部門

業務内容

技術士の業務内容は、大学や公的研究機関で教育・研究を行う、知的財産評価者として技術的評価を行うなど多岐に渡ります

技術士・技術士補になるには

技術士第一次試験に合格するか、文部科学大臣が指定した大学あるいはその他の教育機関における課程(JABEE認定課程)を修了すると、「技術士補」になる資格が得られます。「技術士補」になるには、公益社団法人日本技術士会に登録の申請をし、登録簿に必要な事項についての登録を受ける必要があります。

技術士第二次試験に合格すると、「技術士」になる資格が得られます。「技術士」になるには、公益社団法人日本技術士会に登録の申請をし、登録簿に必要な事項についての登録を受ける必要があります。

技術士・技術士補になる資格を得て、登録を受ける前に「技術士補」あるいは「技術士」と名乗った場合には、罰則が適用されます。

技術士試験の概要

技術士試験は、公益社団法人 日本技術士会が実施しています。

試験・登録情報|公益社団法人 日本技術士会

受験資格

技術士第一次試験は、学歴や年齢、実務経験と言った受験資格がなく、誰でも受験できます。

技術士第二次試験を受験するには、一定の実務経験が必要です。

技術士補となる資格を有し、次のいずれかに該当する者
(1) 技術士補として技術士を補助したことがある者で、その補助した期間が通算して次に定める期間((2)の期間を算入することができる。)を超える者。
・総合技術監理部門を除く技術部門 4年
・総合技術監理部門 7年
(2) 科学技術(人文科学のみに係るものを除く。)に関する専門的応用能力を必要とする事項についての計画、研究、設計、分析、試験、評価(補助的業務を除く。)又はこれらに関する指導の業務を行う者(注1)の監督(注2)の下に当該業務に従事した者で、その従事した期間が技術士補となる資格を有した後、通算して次に定める期間((1)の期間を算入することができる。)を超える者。
・総合技術監理部門を除く技術部門 4年
・総合技術監理部門 7年
(注1)7年を超える業務経験を有し、かつ受験者を適切に監督することができる職務上の地位にある者。
(注2)受験者が技術士となるのに必要な技能を修習することができるよう、指導、助言その他適切な手段により行われるもの。
(3) 科学技術(人文科学のみに係るものを除く。)に関する専門的応用能力を必要とする事項についての計画、研究、設計、分析、試験、評価(補助的業務を除く。)又はこれらに関する指導の業務に従事した期間が通算して次に定める期間を超える者。
・総合技術監理部門を除く技術部門 7年
・総合技術監理部門 10年(既に総合技術監理部門以外の技術部門について技術士となる資格を有する者にあっては7年)
なお、(1)~(3)のいずれにおいても学校教育法による大学院修士課程(理科系統のものに限る。)若しくは専門職学位課程(理科系統のものに限る。)を修了し、又は博士課程(理科系統のものに限る。)に在学し、若しくは在学していた者にあっては、2年を限度として、当該期間からその在学した期間を減じた期間とする。

引用元:令和4年度 技術士第二次試験の実施について 公益社団法人 日本技術士会

日程

  • 技術士第一次試験:10月中旬頃
  • 技術士第二次試験(筆記試験):7月中旬頃
  • 技術士第二次試験(口頭試験):11月下旬~翌年1月

試験地

技術士第一次試験:北海道、宮城県、東京都、神奈川県、新潟県、石川県、愛知県、大阪府、広島県、香川県、福岡県、沖縄県

技術士第二次試験(筆記試験):北海道、宮城県、東京都、神奈川県、新潟県、石川県、愛知県、大阪府、広島県、香川県、福岡県及び沖縄県

技術士第二次試験(口頭試験):東京都

受験料

技術士第一次試験:11,000円(非課税)

技術士第二次試験:14,000(非課税)

合格率・難易度

2015年から2020年に実施された技術士試験の平均合格率は、技術士第一次試験が46.4%、技術士第二次試験が12.5%です。

技術士第一次試験の合格率

年度 受験者数 合格者数 合格率
2020年 14,594 6,380 43.7
2019年 9,337 4,537 48.6
2018年 16,676 6,302 37.8
2017年 17,739 8,658 48.8
2016年 17,561 8,600 49.0
2015年 17,170 8,693 50.6
計 93,077 43,170 46.4%

参考資料:技術士第一次試験 統計情報 公益社団法人 日本技術士会

技術士第二次試験の合格率

年度 受験者数 合格者数 合格率
2020年 20,365 2,423 11.9%
2019年 24,326 2,819 11.6%
2018年 25,914 2,355 9.1%
2017年 26,523 3,501 13.3%
2016年 25,032 3,648 14.6%
2015年 24,878 3,649 14.7%
計 147,038 18,395 12.5%

参考資料:技術士第二次試験 統計情報 公益社団法人 日本技術士会

技術士第一次試験の勉強方法 その1

技術士第一次試験は、技術士となるのに必要な科学技術全般にわたる基礎的学識及び法第四章の規定の遵守に関する適正、並びに技術士補となるのに必要な技術部門についての専門的学識を有するかどうかを判定する試験です。
試験の内容は、大学のエンジニアリング課程(工学、農学、理学等)修了程度とされています。
試験問題は基礎知識を確認する出題となっており、過去問題からの引用も多く見られます。問題集や参考書を活用しながら勉強することで独学であっても十分に合格を狙うことができます。

技術士第一次試験は、基礎科目1時間、適正科目1時間、専門科目2時間の3つに分けて実施されます。同じ試験日に実施され、いずれも5肢択一問題です。

合格基準

基礎科目、適正科目、専門科目の三つの科目で、それぞれ正答率50%以上が合格基準です。

基礎科目

15点満点(五肢択一) 試験時間:1時間

技術士第一次試験の基礎科目は、次のような基礎技術力を問う問題が出題されます。
(1)設計・計画として、システム設計、設計理論、品質管理
(2)情報・論理として、情報理論、アルゴリズム、情報ネットワーク
(3)解析、力学、電磁気学/問題1 基礎科目
(4)材料特性、化学、バイオテクノロジー
(5)環境・エネルギー・技術史

基礎科目は、科学技術全般にわたる基礎知識で、設計・計画、情報・論理、解析、材料・化学・バイオ、環境・エネルギーの5つの分野の問題を解答します。それぞれの分野から6問出されますが3問選択して解答できるため、不得意問題は初めから捨てるという方法もとることができます。ただし、年ごとに難易度が違ってきますので、全問解答できる準備はしておいて、簡単なものを選んで3問解答するのが現実的かもしれません。また、基礎科目の得点力が全体的に弱く、他の2分野で高得点をとっても基礎科目の得点が悪く、一次試験を不合格となるケースが多く見られます。

出題傾向 材料・化学・バイオ

材料特性 H30 H29 H28 H27 H26 H25 H24
 金属材料の腐食1 〇
 金属材料の腐食2 〇
 金属の変形や破壊 〇 〇
 金属の変形 〇
 材料の結晶構造 〇
 部品材料に含まれる元素 〇
 密度、電気抵抗率、融点 〇
 材料の力学特性試験 〇
 合金の原子パーセント 〇
 資源と金属製造 〇
 材料の熱伝導 〇 〇
 電子セラミックス 〇

 

化学 H30 H29 H28 H27 H26 H25 H24
 物質量 [mol] 〇
 酸とアルカリ性 〇
 金属イオン種の沈殿と溶解 〇 〇
 水溶液の沸点 〇
 アンモニア合成反応 〇 〇
 原子の特性 〇
 二酸化炭素の生成量 〇
 原子の酸化数 〇
 塩化水素の生成熱 〇
 水溶液の濃度の調製方法 〇
 酸とアルカリの反応 〇
 熱化学方程式 〇

 

 

バイオテクノロジー H30 H29 H28 H27 H26 H25 H24
 細胞の化学組成 〇 〇
 タンパク質の性質 〇 〇 〇
 アミノ酸とコドンの特性 〇
 遺伝子組換え技術 〇
 DNAの変性 〇 〇
 クローン作製技術 〇
 二本鎖DNA 〇
 生体膜の特性 〇
 好気呼吸とエタノール発酵 〇

 

技術士第一次試験の勉強方法 その2

適正科目

 15点満点(五肢択一) 試験時間:1時間
・技術士法第4章の内容、技術士倫理に関する出題がおこなわれる。
・15問の出題に対し、全問解答を行う。

技術士第一次試験の適正科目は、次のような技術者として適正を問う問題が出題されます。
(1)技術士法、CPD、JABEE、倫理綱領、倫理規定、行動規範、技術者倫理
(2)倫理問題、研究者倫理/問題2 適性科目
(3)組織の社会的責任、職場倫理、リスク管理
(4)環境保全・循環型社会・リサイクル、情報セキュリティ、知的財産権、公益通報者保護法
(5)製造物責任法、消費生活用製品安全法、景品表示法、法令一般
(6)世界調和システム GHS、ISO、製品・設計・工事の欠陥、ワーク・ライフ・バランス

適正科目は、技術士法第四章(技術士義務)規定に関する問題15問が出され、空欄を埋める語句の5肢択一問題です。範囲が限られているためか、例年100%近い得点率の分野です。

専門科目

50点満点(五肢択一) 試験時間:2時間
・受験願書提出時に選択した、技術部門の解答を行う。
・35問出題の中から25問を任意に選択し解答を行う。
・1問2点×25題=50点満点となる。

技術士第一次試験の専門科目は、機械、衛生工学、船舶・海洋、農業、航空、電気電子、森林、水産、化学、経営工学、繊維、情報工学、金属、応用理学、資源工学、建設、生物工学、環境、上下水道、原子力の20の専門分野に分かれ、それぞれその分野の専門的な問題が出題されます。

次のような専門分野から、35問出題され、その中から25問選んで解答すればよいことになって、対策として、どうしても不得意分野は捨てることも可能です。しかし、合格水準が50%以上ということから、選択する問題を少なくすることは残った問題の合格率を上げる必要があるため、できるだけ全問に挑戦すべきです。その方が、過去問にない初めて出る問題や複雑な計算は捨てるなど自由に解答するべき問題を選べ、有利かもしれません。

機械部門
材料力学、制御と伝達関数、機械力学、熱工学、流体工学

建設部門
土の基本的な性質、土の圧密とせん断、土圧と基礎、構造力学、鋼構造、コンクリート、都市計画・地方計画、水理計算、水理解析、河川、砂防、海岸・海洋、港湾・空港、電力土木、道路、鉄道、トンネル、施工計画、建設環境

過去問を繰り返し解くことが重要

技術士第一次試験の勉強法は、全体的に大学で学ぶ基本はできているという前提で、過去問を、問題集10年分と参考書を繰り返し勉強することが効果的です。例えば、専門分野の機械の令和2年の問題を見ると、19問が過去8年の問題と同じ問題が出ています。同じ問題でも数値が少し違っているだけで、解法は同じです。他にも類似した問題が数問あって、これらの過去問を完全にクリアできれば、合格点の50%以上の正答は可能です。
過去問の勉強方法として、問題集や参考書の解法や模範解答は参考としても、計算問題であれば、自分で解いてみる、記述式なら参考書などで解説に書いてあることの理論的な裏付けを調べることがポイントです。そうすることで、類似問題が出ても迷うことなく解答することができます。また、ネットにある信頼できる理論的な情報も役立ちます。勉強法に関してもう一つのポイントは、毎日の勉強スケジュールを組んで、仕事を抱えながらの勉強となっても、スケジュールは曲げないように強い気持ちで取り組むことです。

過去問題・正答の入手方法

技術士第一次試験の過去問題・正答は、公益社団法人 日本技術士会のホームページで公開されています。2011年から2021年の過去問題・正答がPDF形式で入手可能です。

過去問題(第一次試験) 公益社団法人 日本技術士会

技術士第一次試験 試験問題の正答 公益社団法人 日本技術士会

 

おすすめのテキスト・問題集については、下記ページで紹介しています。

技術士第一次試験
建設部門、土木・建築・設備工事のフリーソフト