現場代理人の土木施工管理レポート NO.11、橋梁工事

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土木施工管理技士試験/経験記述、実地試験、学科試験の過去問、出題予想と解答例

現場代理人の土木施工管理レポート/橋梁工事。水中施工による良好な床付け作業を可能にするため、講じた処置は次の内容でした。鋼管の強度から井筒内の水位低下が可能なことを確認し、水中掘削完了後、井筒内の水を汲み上げ、竹組PPシートを設置しました

工事名  : ○○大橋下部工工事

工事名  : ○○大橋下部工工事
発注者  : 建設省○○工事事務所
工期   : 平成○年○月~平成○年○月
主な工種 : コンクリート工、鋼管矢板工
施工量  : コンクリート打設量 1,400m3、鋼管矢板 φ1000mm H=20m 40本

現場での課題と対策 :

工事は、○○大橋下部工工事のうち、7基の橋脚を鋼管矢板井筒工法により、超軟弱な沖積粘土層に構築する工事でした。最初の鋼管矢板井筒の床付けは、水中掘削後敷砂を投入して所定の方法で行いましたが、打設したコンクリートが軟弱土中にもぐり込み、ひっくり返り出来形が著しく不良となりました。このため、超軟弱地盤における鋼管矢板井筒の掘削床付け方法の検討が、品質管理上の重要な課題となりました。

水中施工による良好な床付け作業を可能にするため、講じた処置は次の内容でした。鋼管の強度から井筒内の水位低下が可能なことを確認し、水中掘削完了後、井筒内の水を汲み上げ、竹組PPシート(目通り6.0cm、ctc30cm)を設置しました。竹組PPシートの上に砕石を均等に敷き、鋼管の残留水圧を低減するため、再度井筒内に注水して底盤コンクリートを打設しました。竹組PPシートは効果的で、床付け部が乱された状態でも底盤コンクリートの打設が順調にでき、コンクリートのもぐり込みもなく所要の品質が確保できました。

工事名  : ○○橋PC上部工工事

工事名  : ○○橋PC上部工工事
発注者  : 日本道路公団
工期   : 平成○年○月~平成○年○月
主な工種 : 橋梁上部工
施工量  : 4径間連続中空床版 橋長110m、単純ポストテンションT桁橋30m、
         有効幅員 9m

現場での課題と対策 :

工事は、4径間連続中空床版と単純ポストテンションT桁橋の2つの構造形式からなるPC上部工の架設工事でした。T桁橋区間の工事における主桁製作工は、日平均気温25℃以上となる夏期に及びました。そのため、1桁当たり25m3の主桁コンクリート打設は、暑中コンクリートを使用し、28日強度として400kgf/cm2の品質が求められていました。暑中コンクリートの品質管理が、本工事における重要な課題でした。

現場で講じた処置は、次の内容でした。練混ぜから打設完了までの時間を短縮するため、生コン工場との連絡を密にとり、運搬車の現場到着後の待ち時間ロスを短くしました。打設時の温度上昇を考慮して、打設作業は午前中に行うことを原則とし、打設前に型枠や組立鉄筋を十分散水して温度を下げ、シートを覆うことで直射日光を避けました。養生は、仕上げ直後に被膜養生剤を散布し、養生マットで直射日光を避け、散水を行った後、5日間浸潤養生しました。以上の結果、クラック発生はなく所定の品質が確保されました。

工事名  : ○○橋脚補修工事

工事名  : ○○橋脚補修工事
発注者  : ○○道路公団
工期   : 平成○年○月~平成○年○月
主な工種 : 塗装工
施工量  : 塗装工 12基、樹脂注入工 12基

現場での課題と対策 :

工事は、○○自動車道の○○橋脚を12基、塗装補修する工事でした。工事現場では、施工期間が冬期であったため、早朝・夜露時の高湿度からなる結露が予想されました。また、施工場所が幹線道路に面しているため、排気ガス等による汚れがひどく、入念な素地調整が必要となりました。本工事の最も重要な品質管理項目は、塗装が均一な塗布状態かどうかをチェックするものでした。

塗装補修の均一な塗布状態を確保するため、現場で、講じた処置は次の内容でした。足場架設後は、塗装箇所の全面を飛散防止シートで二重に覆い、シート内にジェットヒーターで乾燥した空気を送るため送風ダクトを挿入し、24時間の温湿度管理を実施しました。素地調整はワイヤーブラシで入念に行い、ひどい塵埃等はディスクサンダーを用いました。塗装作業前には基準内の温度5℃以上と湿度75%以下を常時維持する事ができました。塗装完了後の目視検査ではムラ・ダレ等の無い良好な塗布状態が確認されました。

工事名  : 県道○○線橋梁整備工事

工事名  : 県道○○線橋梁整備工事
発注者  : ○○県○○土木事務所
工期   : 平成○年○月~平成○年○月
主な工種 : 鉄筋コンクリート工、鋼管矢板井筒工
施工量  : 鉄筋コンクリート工 V=500m3、
         鋼管矢板井筒工 φ1000 L=9.0m 20本(P3橋脚 H=20.0m)

現場での課題と対策 :

工事は、水深10mの海上部における仮締切兼用鋼管矢板井筒基礎の施工と、RC橋脚躯体の構築工事でした。計画通り、設計基準強度2.5kgf/cm2の低強度モルタルを中央継手管と両側継手管に注入しましたが、十分な止水効果が得られず、井筒内排水後、仮締切部継手管部分から漏水が生じ、頂版コンクリートの品質低下が懸念されました。漏水箇所に、適切な止水対策を講じる方法が、本工事の重要な課題でした。

現場で講じた処置は、次の内容でした。少量の漏水箇所は、おが屑を詰め込んだ布袋を井筒の外側からロープで垂らし、おが屑が水圧により吸い寄せられることで、漏水原因の穴を塞ぎましだ。それ以上の漏水箇所は、井筒内側から鉄板を溶接し、ビニールパイプを差し込んだ後、漏水箇所付近に採石を充填し、上部をコンクリートで固定して、パイプ内の水位が上昇することで、海面との水頭差により止水させました。

工事名  : ○○地域○○橋上部工工事

工事名  : ○○地域○○橋上部工工事
発注者  : ○○県○○土木事務所
工期   : 平成○年○月~平成○年○月
主な工種 : PC主桁製作工、架設工、支承据付工
施工量  : 主桁製作 架設 桁長45m×3本、支承据付 固定5基、移動3基

現場での課題と対策 :

工事は、○○地域○○橋において、3径間の主桁を製作、架設する工事でした。当工事で製作、架設するPC桁は、7分割したPCブロック桁を現場まで運搬して、エレクションガーダー上で組み立て、ラフタークレーンの合吊りにより架設するものでした。そのため、現場でのPC桁の高精度な組み立てが必要でしたが、工場製作時の配筋、シースの配置、接合キーの取付位置の管理が、本工事における最も重要な課題でした。

現場で講じた処置は、次の内容でした。主桁の工場内製作時に行う検査ロットを細分化して、中間検査を行いました。桁コンクリート打設前にシースや接合キーの位置管理を全部の桁ブロックについて行うことで、現場のガーダー上での組立て作業を効率的に行えるように配慮しました。接合キーの位置及びシースの位置は、全て許容範囲内(±10mm以内)の精度でした。また、端部ブロック桁の主鉄筋のピッチについて施工ミスを発見する事もできました。

工事名  : 主要地方道○○橋上部工工事

工事名  : 主要地方道○○橋上部工工事
発注者  : ○○県○○土木事務所
工期   : 平成○年○月~平成○年○月
主な工種 : コンクリート床版工
施工量  : コンクリート打設 V=90,000m3、鉄筋量 20t

現場での課題と対策 :

工事は、工期が○月中旬から○月下旬までの単純非合成鈑桁橋(橋長32m)の、コンクリート床版工事でした。コンクリート打設時期が2月となり、現場付近の平均気温が4℃以下となります。また、夜間には氷点下になりコンクリートの凍結の恐れがあったため、寒中コンクリートを適用するものとしました。コンクリートの配合、打込み、温度養生、型枠脱型の時期等の管理が、品質管理上の最も重要な課題でした。

生コン工場と打合わせを行い、AEコンクリートを使用し、スランプ(8±2.5cm)、空気量(4.5±1.5%)、コンクリート温度(10~15℃)等を決定しました。鉄筋型枠に氷雪が付着しないように、組立てよりコンクリートを打ち込むまでの間、水を除去しシートをかけておきました。打設後の養生はコンクリート全体を養生シートで覆い、ジェットヒーターを使用し、7日問1℃以下にならないようにしました。脱型時の圧縮強度を150kgf/cm2とし、確認後に脱型しました。

土木施工管理技士の仕事内容は、土木工事現場においての品質管理、工程管理、安全管理、予算管理があります。その他にも役所への手続き、書類の処理、周辺住民への説明など、幅広い範囲の仕事を任されます。これらの仕事は資格を持っていなくても従事できますが、全体を管理する責任者として従事できる土木施工管理技士は取得しておきたい資格と言えます。
木施工管理技士には1級と2級があります。1級と2級で従事できる仕事の範囲が異なります。2級では、一般建設業の営業所における「専任技術者」、作業工程ごとの責任者として設置される「主任技術者」として仕事に従事できます。
1級土木施工管理技士を持っていれば、自治体が発注する土木工事などを請け負って工事を行うことができるため、資格取得を目指しましょう。実地試験では実務経験を記述する問題が出題されるため「過去問と解答例」を活用した試験対策が必要になります。
土木施工管理技士として働くならば、土木施工管理技士資格の他に「技術士」「測量士」「建築積算士」「RCCM」「コンクリート技士・診断士」などの資格も取得しておくと実務に役立ちます。測量や積算、地盤調査など土木施工管理技士に必要なスキルなので、資格を取得していることで周囲へのアピールになります。また、主任技術者や監理技術者は現場を取りまとめることが求められるのでコミュニケーション力やマネジメント力も備えておくと良いでしょう。


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