現場代理人の土木施工管理レポート NO.10、地下構造物工事

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土木施工管理技士試験/経験記述、実地試験、学科試験の過去問、出題予想と解答例

現場代理人の土木施工管理レポート/地下構造物工事。山留め壁は、剛性と水密性の向上に配慮して地中連続壁としました。全ての切梁にプレロードを導入しました。掘削については、切梁位置でのトレンチカットの採用で、余掘量を最小限に抑えました。

工事名  : ○○浦・○○川連絡水路新設工事

工事名  : ○○浦・○○川連絡水路新設工事
発注者  : 建設省○○工事事務所
工期   : 平成○年○月~平成○年○月
主な工種 : シールド工、復旧工
施工量  : 路線延長 L=2,200m、シールド外径 φ5230mm、
        仕上り内径 φ4000mm、コンクリート打設量 6,500m3

現場での課題と対策 :

工事は、○○浦と○○川を結ぶ連絡水路の新設工事であり、到達立坑(ニューマチックケーソン工法)の築造と、泥水シールド工法で掘進する地下トンネルの構築工事でした。沖積砂層を掘進する泥水シールド工の概要は、シールド外径5230mm、仕上り内径4000mm、シールド延長2200m、土かぶり16~20m、勾配1‰であり、掘進距離2200mを中間立坑等でのピット交換を行わずに掘進する長距離掘進対策が、品質管理上の重要な課題でした。

シールドの長距離掘進対策としては、掘進機の損耗部品であるテールシールとカッタービットについて次のような処置を講じました。テールシールは、耐久性、止水性が評価されているワイヤーブラシ型を採用し、段数を通常より1~2段多い4段装備としました。カッタービットは、国内長距離掘進事例を基に検討し、二重差刃型ビットとし、背面摩擦に対して強化するために後方チップを硬化肉盛表面と面一致させました。以上の結果、ワイヤーブラシを交換することもなく、超硬チップの摩擦率は10%以下と極めて高品質で、工事を完了することができました。

工事名  : ○○~○○管路新設工事

工事名  : ○○~○○管路新設工事
発注者  : ○○県
工期   : 平成○年○月~平成○年○月
主な工種 : シールド工、復旧工
施工量  : 路線延長 L=500m、シールド外径 φ5200mm、コンクリート打設量 1,500m3

現場での課題と対策 :

工事は、JR○○駅前の発進立坑(深30m×長35m×幅15m)と○○地先までのシールド洞道(外径5.2m×延長500m)をS字急曲線対応の泥土圧式シールド工法で施工するものでした。繁華街特有の制約や規制等のため、工事条件は厳しいものであり、S字急曲線(半径20m)のシールドを重要構造物に近接して、補助防護工法が使えない中で施工する必要がありました。S字急曲線シールドの品質確保のため、対策工法の検討が、重要な課題となりました。

曲線施工機能の向上、セグメント変形防止対策として、講じた処置は次の内容でした。カッター偏心機構と中折れ式の併採用、シールブラシの改良と改善を行い、制御性の向上と、推力の安定化を図ることができました。リブ補強セグメントと目開きの防止、テーパーフードの採用による余掘りの減少、裏込め注入の工夫によるセグメントの早期固定などに留意して、セグメントの剛強化と推力伝達の均等化を実現させました。S字急曲線シールドの施工は技術的にも厳しいものでしたが、所要の品質を確保しました。


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工事名  : ○○ビル基礎山留め工事

工事名  : ○○ビル基礎山留め工事
発注者  : ○○開発株式会社
工期   : 平成○年○月~平成○年○月
主な工種 : 土工、コンクリート工
施工量  : 掘削土量 4,000m3、コンクリート打設量 300m3

現場での課題と対策 :

工事は、既設ビルに隣接し、新しいビルの地下に立体式駐車場を設置する工事でした。当該工事の開削深度が隣接ビルより深くなること、地盤が粘性土で地下水位が高いことなどから、掘削に伴う山留め壁の変位や掘削面の変状による、隣接ビルの不等沈下や基礎構造物に与える影響が懸念されました。既設ビルに隣接した山留め壁の施工方法の検討が、所要の品質を確保する上で重要な課題でした。

山留め壁の品質管理について、現場で講じた処置は、次の内容でした。山留め壁は、剛性と水密性の向上に配慮して地中連続壁としました。全ての切梁にプレロードを導入しました。掘削については、切梁位置でのトレンチカットの採用で、余掘量を最小限に抑えました。既設ビルの沈下と傾斜、山留め壁の変位や切梁軸力に対し動態観測を行い、そのつど逆解析による予測管理を行いました。施工途中の予測管理を徹底することで、事前解析の妥当性や対策効果が確認でき、所要の品質を確保しました。

工事名  : ○○水処理施設増設工事

工事名  : ○○水処理施設増設工事
発注者  : ○○県○○市
工期   : 平成○年○月~平成○年○月
主な工種 : 土工、コンクリート工
施工量  : 掘削土量 22,000m3、埋戻土量 19,000m3、コンクリート打設量 27,000m3

現場での課題と対策 :

工事は、鋼管杭基礎上に、長さ249m×幅42m×深さ7.2mの半地下コンクリート構造物を、既設構造物に隣接して増設する工事でした。地下30mまでN値0に近いシルト質粘土であるといった当建設地の地質条件から、構造物築造のため開削工を施工するにあたり、近接する既設構造物および基礎杭が側方変位することが懸念されました。側方変位の許容範囲内での抑制が、品質管理上の最大な課題でした。

現場で講じた処置は、次の内容でした。近接する既設構造物、既打設杭に対して、ひずみ計3箇所、傾斜計10箇所を設置し、定期的な動態観測を実施しました。構造物全体を7ブロックに分割し、交互のブロックを先行施工して基礎・壁の完成後、隣のブロックを施工する施工順序のブロック化を行うことで側方変位の軽減を図りました。鋼矢板引抜きによる地盤変化防止対策工として、セメントイベント薬液を注入し引抜きにより生じる空隙を埋めることができました。

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土木施工管理技士の資格試験では経験記述問題が出題されます。経験記述問題は、その記述内容から施工管理技士として施工管理能力が十分に備わっているかを判定するため出題されます。ごまかしや、他人の施工経験から作成は行わず、自分が施工管理を行った中で、注意した点や、工夫した点をアピールしましょう。
土木施工管理技士試験の受験者及び合格者のうち、女性の割合は近年増加傾向になっています。女性技術者の少ない土木業界ですが、将来のキャリアップを考え、土木施工管理技士の資格を取得することは有効です。
1級土木施工管理技士は、工事現場の技術責任者として特定建設業において高い地位にあり、資格取得によるメリットも多いため受験者数も毎年大勢の方が受験します。試験は学科、実地それぞれ年に1回行われています。過去問、解答例でしっかり学習し一発合格を狙ってください。